8発プロペラの超異形旅客機、まさかの設計変更!…なぜ? でもやっぱり“フツーじゃない”細部設計
「メイブ1」プロペラ推進装置、だいぶ変わってる…!
「メイブ1」のプロペラ推進装置には、ブレードと呼ばれる羽根がついています。ユニークなのは、この枚数です。
発表当初のイメージ図などでは、推進装置1基あたり、6枚の羽が描かれていました。しかし、現在の4基タイプの「メイブ1」の設計案では、1基あたり7枚の羽が備わる姿が描かれています。また、インターネット上では、8基デザインのときにも、7枚の羽根が付いたイメージ図も見ることができます。
4基デザインとなった「メイブ1」は、機体全体も、胴体は直径3.6mの円筒形から、幅2.8m、高さ3.2mの楕円形へと変更され、最大離陸重量は25.9tに減ったとされています。しかしペイロード(機体の運搬能力)は約5t、プロペラを動かす出力は1.2MWと、こちらは変更ないとのことですから、機体のスリム化が図られたと考えられます。
一方、プロペラの羽が7枚になった理由は推測も含めて明らかになっていません。羽根は、プロペラ1基当たりが吸収する馬力が大きくなると枚数を増やすのが一般的とされています。
ただ、過去のプロペラ機は、2、3、4、5枚や早期警戒機E-2Dのように8枚と、360度を等分し遠心力を不均衡にしない枚数が使われてきたため、7枚は珍しいといえるでしょう。7枚羽根を採用したのは電動ゆえの理由があるのか、これからそれが明らかになることを期待したいところです。
今回の設計変更でプロペラ自体が4基になったことにより、航空会社は「メイブ01」を受け入れやすくなったとも考えられるでしょう。環境問題の高まりもあり各社が「二酸化炭素を出さない航空機」の開発を進めるなか、今後「メイブ01」がどのように開発が進んでいくかが注目されます。
【了】
Writer: 島田 駿(航空・旅行ライター)
飛行機による旅行が好きで記事を書き始めた。海が好きで、羽田空港や成田空港へも時折撮影に出かける。
360度を等分し遠心力を不均衡にしない枚数
7枚だと等分になっていないのか?