プロペラ機の「一強」時代を崩す? 巨人に挑む新興 異色スペックの対抗馬は勝負になるのか

40~50人クラスのターボプロップ旅客機市場で確固たる地位を築くATR社は、新型旅客機「EVO」を開発していますが、この牙城を崩そうとするのが、スタートアップが開発中の「メイブ01」です。既存メーカー有利とは限らないかもしれません。

「メイブ01」vsEVO、どっちがイイの?

 反面、航続距離は、「メイブ01」が460kmに対し、ATR42-600は3倍近い1345kmとされています。「メイブ01」の航続距離が短いのはバッテリーの駆動時間によるためと思われますが、メイブ・アエロスペースは「アムステルダムからロンドンまでの飛行は実現が可能」としていることから、「メイブ01」はまず欧州域内のコミューター機で浸透を狙っているのでしょう。

 全電動である「メイブ01」の最大のネックと見られるのは充電時間ですが、35分間で済むとアピールしています。また、一般にプロペラの基数が少なければ、整備や点検にかかる時間と費用は少なくなりますが、未知の駆動源である反面100%のエコ運航の実現が期待されうる「電動」と、すでに実運航に活用されており、堅実な手段ではあるものの、排ガスを出すことには変わりないSAFを比較すると、どちらに分があるか、いまの時点で判断は難しいでしょう。

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ATR「EVO」ビジュアルイメージ(画像:ATR)。

「メイブ01」とATR42-600EVOの売れ行きについては、ATR社はこれまでに100か国の200社に築いたネットワークがあります。後者のほうが、機材の更新へセールスをかけやすいというのは否めません。

 しかし、2023年7月の世界的な猛暑に対し、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「地球沸騰化の時代が到来した」と述べたように、環境問題への懸念はさらに強まっています。SAF混合の程度に依らず、CO2の排出を運航中に完全にゼロにできるという意味では、「メイブ01」の方が好意的に見られる可能性はあります。充電時間や蓄電容量が向上すれば、使い勝手も良くなるでしょう。「メイブ01」とATR42-600EVOの競争は、実用化の行方、その性能に加えて、環境問題の行方がカギを握っていると言えそうです。

【了】

【画像】プロペラ8発! 初期デザインの「メイブ01」があまりに異形な件

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飛行機による旅行が好きで記事を書き始めた。海が好きで、羽田空港や成田空港へも時折撮影に出かける。

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