第二の近畿道「大阪南部高速道路」実現なるか 大阪最後の「高速空白地帯」にかかる期待は?
「取り残された地域」が団結してアクセス向上をねらいます。
河内長野市をはじめ15市町村が希望
大阪府南部で、新たな高規格道路の構想が具体的に動きはじめています。2021年に国土交通省が近畿エリアの広域計画の「調査中」路線に位置付けた、「大阪南部高速道路」です。
具体的なルートはこれから調査検討されますが、おおまかには岸和田で阪和道から分岐し、河内長野・富田林・羽曳野を経て藤井寺で西名阪道に接続するというネットワークです。早い話が、国道170号のルートを、近畿道や京奈和道のように「高速道路化」するという位置づけです。
実現を果たすべく地元自治体を中心に動いてきたのが、現在15市町村が加盟する「大阪南部高速道路事業化促進協議会」。2015年に設立され、要望など働きかけをつづけた結果、念願の調査開始に漕ぎつけました。
協議会いわく略して「大南高(だいなんこう)」、これはゆかりの武将である楠木正成の別称「大楠公」と読みが同じというわけです。
それはともかく、協議会の危機感は「北高南低」である大阪の現状、さらに関空に近い臨海部に対して内陸部であるビハインドがあります。それを転換するために、交通の利便性を機にエリアが発展していくことに期待がかかっているのです。
また、当該エリアの大動脈は国道170号くらいしかなく、この道路がひとたび事故で止まれば、大きな渋滞になる状況。ずっと並行して走っている旧道は狭く、生活道路の域を出ません。
こうして大阪南部の「復活」として熱視線を浴びる構想ですが、いまのところ最初の段階である、住民アンケートからルート帯選定に至る「構想段階評価」の動きは見えてきていません。といっても、毎年の国交省予算で「調査します」と記載されてはや3年。来年度以降になると、何か具体的なものが顔を出すかもしれません。
【了】
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