主翼の向き、逆!? 思わず二度見の「前進翼」旅客機案、なぜ 飛び方ぜんぶ見直すとこうなった!?

通常、ジェット旅客機の主翼は、後方に向かって角度のついた「後退翼」であることが一般的ですが、ドイツではその逆、前方に角度がついた形状を持つ主翼を設置した旅客機が研究されています。

これまでより「低高度&低速」であることから設計を

 通常、ジェット旅客機の主翼は、胴体と垂直に設置されるのではなく、翼端が後方に向かって角度のついた「後退翼」のスタイルをとっていることが一般的です。しかし、DLR(ドイツ航空宇宙センター)では、この概念を覆すようなユニークな翼型をもった旅客機の設計を研究しているようです。その機体は、主翼が前方に角度がついた形状をしているのです。

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ルフトハンザ航空のエアバスA340。主翼端が後ろ向きの「後退翼」が設置されていることがわかる(乗りものニュース編集部撮影)。

 初見では、まるで「おもちゃのモデルプレーンの主翼を逆さまにつけてしまった」ようにも見えるこの形状。DLRは航空便における環境負荷低減を研究するプロジェクト「KuuL」の一環として、これを公開しました。同プロジェクトでは、新しい航空燃料や、巡航高度と巡航速度の工夫に加え、そうしたオペレーションに適応した航空機とエンジンを設計することを目指しています。

 DLRによると、運航に既存のジェット燃料ではなく、廃食油や動植物油脂などを原料とする「SAF(持続可能な航空燃料)」などの次世代航空燃料を用いて、さらに最大の飛行高度を2000m下げることで、環境への影響を最大70%削減できる可能性があるとのこと。

 ただし、現在の旅客機より高度が下がるとなると、そのぶん空気の密度が高い場所を日常的に飛ぶ必要性が生じることから、航空機の設計も変更する必要があり、特に翼の後退角を小さくする必要があるといいます。

 冒頭の前方に角度がついた形状をもつ主翼をもつ旅客機は、この「低高度で効率的な飛行をするため、主翼の取り付け角度を全面的に見直したもの」といえそうです。なおこの設計案では、巡航速度も見直され、従来機より最大15%速度を落とす必要があるとのことです。

 このDLRが研究している次世代航空機が実用化されるかは未知数と言わざるを得ません。しかし、航空業界の二酸化炭素排出量削減の取り組みは、世界的に大きなトレンドとなっており、各研究機関や企業も既存の設計を覆すような新型機案を次々に生み出しています。将来的に、「前向き主翼」がスタンダードな旅客機の設計となる可能性もゼロではないかもしれません。

【了】

【画像】なんじゃこりゃ! これが「前向き翼の旅客機」の驚愕の全貌です

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