異形&異端「海上スレスレを爆速飛行」する航空機、なぜそう飛ぶの? JALも実現に向け協力
これ使えたら離島への移動が超便利になりそう!
「海上スレスレで飛ぶ」がコンセプト
JAL(日本航空)は2023年10月、アメリカ、ロードアイランド州に本拠を構えるリージェント(REGENT)社と、電動シーグライダーの社会実装に向けた包括連携協定を締結しました。このシーグライダーは、折れ曲がった翼に8つ備わった電動プロペラを持つ独特の形状が特徴で、既存の乗りものとは大きく異なるコンセプトを持ちます。
シーグライダーは、海上スレスレを高速飛行する個性的な次世代海上モビリティです。JALによると、機体は水上数メートルを飛行し、翼と水面の間に閉じ込められた空気のクッション”Ground Effect (地面効果)”を用いるとのことです。
同社のシーグライダーは完全電動で、「飛行機の高速性と、ボートの低コスト性を兼ね備えた」乗りものとのこと。就航は、2024年までにサービスを開始する計画といいます。
シーグライダーは12人乗りで300km/hにて航行(飛行)でき、既存のバッテリー技術を用いた場合の航続距離は300kmとされています。推進はおもに、翼に8つ備わった電動プロペラは、冗長性確保などの理由があるとしています。このほか、胴体(艇体)底部には、機体を持ち上げるための水中翼が取り付けられています。
また、航行モードは3つあり、海上スレスレを高速飛行をするモードのほか、船のように航行するモード、水中翼を用いた高速航行モードがあるとのことです。こうした斬新な設計や飛行モードにより、既存の一般的なボートでは実現困難だった高速移動を提供できるほか、電動の採用による環境負荷の軽減効果などが期待されています。
JALグループのコーポレート・ベンチャーキャピタルファンド「Japan Airlines Innovation Fund」では2023年1月、リージェント社に対し出資を実施。今回の包括連携協定はそれに次ぐものとなります。協定のおもなな内容は電動シーグライダーの安全運航に向けた制度や体制の検討など。また、機体の販売代理店としての機能をJALグループのJALUXが担当するとしています。
【了】
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