「え!? ナンバープレートが無い!」盗難事件が多発のワケ 犯罪目的だけじゃない「意外な用途」とは?
盗難車の車種に関しては毎年注目されますが、部品となるとそこまでではありません。しかし、こうしたクルマの部品の中で一番盗まれやすいのが、ナンバープレートとなっています。
どんなクルマでも盗まれる可能性がある
毎年トヨタの「ハイエース」や「ランドクルーザー」、さらにレクサスなどの高級国産車が多く盗難にあっているという報道はよくあります。しかし、クルマの特定の部品だけを盗むパーツ盗難に関してはあまり話題となっていないのではないでしょうか。このパーツ盗難で最も多いのがナンバープレートとなっています。
2023年5月に警察庁が発行した「自動車盗難等の発生状況等について」によると、ナンバープレートの盗難については令和4(2022)年度で6231件発生しています。これは、「部品狙い」の盗難総数の6.8%にも達する数字です。警察庁によると、平成14(2002)年度以降、部品狙いの盗難そのものは減少傾向にありますが、ナンバープレートの盗難に関しては依然として高い割合となっているとのことです。
ナンバープレートを盗むなかで最も多い理由は、盗難したナンバーを犯罪に使用することです。盗難車につけるというケースが多いそうですが、強盗や殺人事件などに使用するクルマに装着するケースも稀にあるようです。警察はクルマのナンバーを照会することで、所有車の名前や住所などを特定しますが、盗難ナンバーにはそうした操作をかく乱でき、警察の捜査から逃れ易くなります。
ほかにも、日本のナンバーを海外で売るために盗難しているというケースもあるようです。意外と思う人もいるかもしれませんが、日本でも海外のナンバープレートを部屋のインテリアや店舗の装飾の一部として飾ることがあります。海外でも日本のナンバープレートを同じように飾る人がいるのも道理です。
そうしたナンバープレートのほとんどは、陸運局でナンバープレートの左上に穴が空けられた「記念所蔵」で所有できるプレートとなっていますが、一部、正規の手続きでは手に入らないナンバープレートがフリマサイトやオークションサイトなどで公開されているケースがあります。
ナンバープレートはリアのものに関しては封印が施されていますが、そこまで取り外しが困難という訳ではなく、ドライバーやレンチなど市販の工具でも出来てしまいます。そのため警察庁では、市販の工具では取り外しできない、防盗性が高い「盗難防止ネジ」の普及を図っています。
【了】
いや、ナンバープレート窃盗自体が犯罪でしょうが