目前のガザ侵攻 イスラエル側が圧倒的に不利? だから「メルカバ」戦車は“特設屋根”をつけた

地上侵攻に向けて集結するイスラエル軍戦車「メルカバMk.4」に「鳥かご」装甲が装着されていました。これはガザ市街地戦に向けた対策であると思われます。なぜこれが必要なのでしょうか。有識者は市街戦の怖さを語りました。

元米軍将校に聞いた 市街戦の極意とは?

 さらに、対戦車火器を自動で迎撃する「トロフィー」アクティブ防護システムの攻略法として、「システムの反応が間に合わない45m以内で攻撃する」「複数弾の一斉発射でシステムが対処できないようにする」など具体的な指示が記されていました。実際、10月7日の奇襲攻撃で「メルカバ」は破壊されており、ガザの市街地戦でも同様の戦術が用いられる可能性は高いと思われます。

Large 20231027 01
ヨルダン川西岸地区のナブラスで軍事作戦を行った際のイスラエル軍部隊。奥に「メルカバ」戦車が見える。兵士たちの目線から全周にわたって警戒しているのがわかる(画像:イスラエル国防軍)。

 こういったことを踏まえ、市街地における戦術と装甲車両の運用について、元アメリカ陸軍将校である飯柴智亮氏に話を伺いました。まず飯柴氏は「市街地戦は基本的に避けるべきもの」と前置きをしたうえで、以下のような戦い方を示しました。

「市街地でゲリラなどを掃討する場合、コードン&サーチ(封鎖と捜索)という戦法が考えられます。これはゲリラが潜むと思われる一帯を封鎖(コードン)し、その中をサーチ(捜索)するというものです」

「今回のような状況だと、戦車は歩兵の支援として用いられるでしょう。敵が抵抗している建物を砲撃で粉砕したり、障害物を破壊して通路を切り開いたりといった役割が考えられます。敵が潜む市街地に先頭を切って入っていくようなことはしません。また、市街地には避難できなかった民間人も残っています。ロシア軍なら、損害無視で攻撃するでしょうが、アメリカ軍はそのようなことはできないため、攻撃を制限する要素となります。イスラエルは、両者の中間くらいのものになるのではないでしょうか。イスラエルにとっては、人質も無視できないでしょう」

 ハマスの壊滅を決意したイスラエルにとって、ガザへの地上侵攻は、それを実現できる唯一の手段ではありますが、それは決して容易なものにはならないでしょう。

【了】

【最前線に投入されるか?】これが「メルカバ」シリーズの最新型「Mk.5」です(写真)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 大人対子供の喧嘩。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス