空自「次期戦闘機」の相棒、「ボーイングの無人機」が有力か? 米豪の激推し機 日本の出る幕は
米豪激推し「ゴーストバット」、日本も加わるとなったら?
一方、日・豪間では既に2014年7月、防衛装備品の共同開発や生産の協力強化を目的とした協定が結ばれています。こうしたことから、日本とオーストラリアが一緒になるのも流れに沿っていると理解できます。
そのうえ、ボーイングにとって日本は長年、防衛関連の有力な市場です。セールスへの人脈とノウハウも蓄積されています。それ故にボーイングはオーストラリアとタッグをより緊密にし、日本へ研究の深化を求めつつ、MQ-28の採用を強く訴えてくると想像できるのです。
反面、MQ-28が最有力候補とすると、日本にも対処しなければならない課題が出てきます。
1つは、開発シェアです。MQ-28は米・豪で既に初飛行済みで、日本は“後乗り”という形になります。そのなかで、どれだけ技術的かつ生産的なシェアを獲得できるかがポイントです。日本では随伴無人機の実機開発はこれから始まる状況であるため、おもに技術力を培う機会かもしれませんが、日本国内での雇用確保のために、生産でのシェアも獲得したいところです。
もう一つは、仮に日本でも生産が可能となった場合、米豪以外の国へ直接輸出を可能にできるかです。次期戦闘機は、日本から第三国へ直接販売できるよう、防衛装備品の輸出ルールの見直しが政府・与党内で進んでいます。その随伴無人機は、次期戦闘機の装備品とみなすこともできる反面、独立した機種と考えることもできます。後者と定めて日本が積極的に開発と生産のシェアを獲得したければ、輸出ルールの整理も早期に必要かもしれません。
国際共同開発は、有人機と無人機の区別なく、参加国が自国に有利な計画になるよう様々な駆け引きがあります。仮にMQ-28が最有力候補になるなら、日本がどれほどかかわりを深めることができるのか、この動向には注意を払っていかねばならないでしょう。
【了】
Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
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