マクドナルドバイパス? 道のど真ん中の激レア店舗が生まれた理由とは
道幅の広いバイパス道路のど真ん中で営業するマクドナルドがあります。日本でも唯一という店舗で、上下線からドライブスルーに立ち寄れるという有利な立地です。
利便性は抜群?
郊外のバイパス道路の両側に、大きな駐車場を設けた飲食店や商業施設などが立ち並ぶ、いわゆる「ロードサイド店舗」は多いですが、金沢には「ロードサイド」どころではなく、道のど真ん中で営業するマクドナルドが存在します。なぜこのような場所に店舗を設置したのでしょうか。
金沢市の西郊に位置するマクドナルド福増町(ふくますまち)店は、市の郊外を結ぶ金沢外環状道路 海側幹線のうち、上下の車道を隔てる中央部に店舗があり、上下線どちらからも進入できます。北陸道の白山ICに接続するこの道路、幅の広い中央分離帯がずっと続きますが、付近ではここだけが店舗になっています。
実はこの土地、正真正銘の道路用地です。いま道路がある部分は将来の「側道」で、広大な中央分離帯には、将来的に自動車専用部が設けられる構想です。
しかし、当面は着手の見込みがないため、道路管理者である石川県が用地を活用する事業者を公募し、マクドナルドが応じたというわけです。したがって、いずれは立ち退かなければなりません。
石川県によると、施設に入るための右折レーンの設置など、活用にも条件があったといいます。構造上の問題がなく、すぐにでも活用できる土地だったといいます。
このように道路予定地を暫定的に一般開放したり、期限を設けて利用者を公募したりする取り組みは、2009年に国土交通省がこれを認める通達を出したこともあり、全国的に行われています。ここまでまとまった用地が店舗になったケースは珍しいかもしれませんが、
道路をつくるには用地確保に長い時間がかかるため、自治体などが取得済みの用地を部分的に民間へ貸し出し、コインパーキングなどにする事例は多くあります。
【了】
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