全国の8割が「廃止・減便やる」 深刻な「バス運転士不足」の実態明らかに「給料上げられない」深刻な背景も
タイムリミットが近づいてきています。
2024年問題の事態
帝国データバンクは2023年11月22日(水)、全国の路線バス運行業者に対する調査分析の結果を発表しました。
これは、きたる2024年3月末に迎える「働き方改革関連法」の運送業への施行によって、運転士不足のおそれが生じる、いわゆる「2024年問題」の実態を把握するものです。
この結果によると、127の民間運行業者のうち、バス路線を今年中に廃止もしくは減便するとした会社は、全体の77.2%にのぼる98社となっています。来年以降に実施予定の業者をあわせると、全体の8割を超える結果となりました。
同社の推計では、調査した約1万4000路線のうち「少なくとも約1割」に相当する路線が、減便や廃止による影響がおよぶとしています。すべての都道府県が影響をうけ、首都圏でも郊外間の路線や、早朝・深夜便への影響が目立つ結果でした。
調査は人手不足に直結する「従業員数」でも行われました。数が判明した307社のうち、半数以上の53.1%の会社が、2019年とくらべて減少したとしています。
減少量の内訳は、2割未満が36.8%、2割以上5割未満が15.0%。5割以上減った会社も1.3%存在したそうです。
1社あたりの平均従業員数も、2021年をピークに、2年連続で減少傾向。近年急に増えていたのは「コロナ禍で観光バスや貸切バスの仕事があぶれた分が流入した」のが理由でしたが、待遇の差などから、また元に戻っているようです。
同社は背景として、給与水準や待遇などで人材の定着にも悪影響があるほか、賃上げしたくてもできない理由として「燃料費高騰による収益面での打撃」を指摘しています。
【了】
コメント