直通なのに運賃別払い…「伊勢鉄道」の「JR統合」どうなる!? 三重県知事「検討は必要」

将来的に検討もあり得る!?

 質問をしたのは「草の根運動いが」の稲森稔尚 議員です。「そもそも国鉄から切り離されて第三セクターに移行したのは、国鉄末期の当時、輸送密度が低かったことなどが原因。しかし現在の輸送密度はコロナ前のピーク時で1日あたり4000人以上あって、公的関与する理由がもはやないのではないか。JR東海と経営統合すべきではないか」と、県に対し説明を求めました。

 一見勝之 三重県知事は、「たしかに収支率でいうと、伊勢鉄道は第三セクターのなかでは上位3位に入るくらいだったかと。しかし、この路線は日本鉄道建設公団によって重厚(高規格)に作られたこともあって、減価償却がかなりのもの」としたうえで、「JR東海は経営状態から『輸送量が減っている路線から原則切り離さざるを得ない』としているくらいで、経営を引き継ぐというのはなかなか難しいかと」と返答しました。

 稲森議員は「名松線も、もう廃止かと言われていたのを、自治体ががんばって、引き続き運行できている。伊勢鉄道の件でも、県で課題やメリットをしっかり分析して、真摯に話し合っていってほしい」としました。

 知事は「現在、関西本線のほうで、同様に存続に向けて取り組みを進めているところ。JR東海に対しあっちもこっちもというのはなかなか難しい。ただ、さまざまなことを検討していくのは必要であると思っています」と話しています。

 ここ10年、「伊勢鉄道はJRに統合すべきでは!?」という"直球"の質問は、三重県議会でも上がっていません。SNS上でも「JRになってくれるのはありがたい」「F1観戦の時、1枚のきっぷで住むのは便利」など、様々な意見が巻き起こっています。

【了】
※誤字を修正しました(12月6日11時45分)。

【画像】せっかく高規格なのに…これが「伊勢鉄道」の風景です

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コメント

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1件のコメント

  1. 利用者の便を考えるのなら上下分離方式も検討する価値があるのでは