冬に多発? 飛行機の「ドシン!と着陸」実は“わざと”かも ソフトな接地=上手とは限らない!

“強めの接地”でなにが変わるのか?

 同氏いわく、積雪や凍結している際、滑走路へ強固に機体を接地させるのは「路面の雪氷で停止距離が長くなることで、滑走路でオーバーランすることを防ぐため」という目的からだそう。できる限り早くスポイラー(主翼上で立ち上がる減速装置)を立ち上げて制動させることが重要といいます。

 接地がスムーズ過ぎると、機体のセンサーが地上に降りたことを認識するのがわずかに遅れ、結果としてスポイラーの展開や逆噴射装置(エンジンの噴射方向を変えることで減速を図る装置)の作動が遅れることがあるのだとか。

「通常、着陸後の制動にはスポイラー、逆噴射装置、タイヤのブレーキ、機体そのものの抵抗が大きな効果を発揮しますが、滑りやすい路面ではスポイラーと逆噴射装置の効きがとくに重要なので、それらのシステムを少しでも早く作動させることが肝心です」

 着陸機にとっては不利な空港や天候、路面状態などでは、あえて強めの接地をすることが、できるだけ早く機体を減速させ、むしろ安全運航の一助となることができるということでしょう。「強めの接地」は、パイロットにとって有効なテクニックのひとつになっているといえそうです。

【了】

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