「旅客機ベースの空中給油機」ついに肉薄! 米空軍「KC-46A」に潜入…「核爆発にも耐える」だと!?
KC-46A、どんな強みが?
ボーイングは機内での説明で、KC-46Aは767から派生させる際に軍用機としてゼロから設計したとしています。そのうえで、「核爆発によって起こる電磁パルスにも耐える」「夜間でも可視光を使わずに運用できる」と、能力の高さをアピールしていました。
KC-46Aのような旅客機から派生した低翼高床式の機体は、C-17やC-130など高翼低床式の輸送機と違い専用の機材が必要で、貨物の搭載と荷下ろしに時間はかかり、展開地域も限られるでしょう。
しかし、座席を設けたパレットを並べて人員輸送ができ、到着後は空中給油機として活動する2役を担う利便性があります。このため、米軍や航空自衛隊など世界の主だった国は、低床高翼式の輸送機とともに、空中給油機・輸送機も装備しています。
海外の報道では、サウジアラビア空軍の使う7機のKE-3A空中給油機の平均の機齢は37.2年であるため、ボーイングはこれを念頭に中東でのセールスに力を注いでいるのもしれません。
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Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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