「富士山」冠する駅、そこにあるのは川と丘!? 誤乗車マジで注意の駅に行ってみた 「ここは群馬県桐生市です」

高さ日本一の富士山。その富士山があると、たまに勘違いされることがあるという「駅」が存在。そこには何があるのでしょうか。

正確には「ふじやました」駅

 富士山といえば世界文化遺産に登録された静岡県と山梨県が誇る標高約3776m級の日本最高峰の独立峰ですが、その富士山があると、たまに外国人旅行者などが間違えるケースがあるとされた駅が、遠く離れた群馬に存在します。上毛電気鉄道上毛線の「富士山下駅」です。

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上群馬県桐生市であることを強調するプレ-ト(斎藤雅道撮影)。

 漢字表記では「富士山下駅」と書きますが、「ふじさんした」ではなく「ふじやました」と読みます。

 同駅は駅員のいない無人駅となっており、駅舎を出ると「ここは群馬県桐生市です」と注意をうながすプレートがつけられているのを確認できます。降りてまず目立つのが、登ることができるよう階段などが整備されている小山です。

 実はこれ、「富士塚」と呼ばれるもので、約163mあります。駅名の富士山下はこの塚からきています。

 富士塚とは、富士山に模して造営された大小さまざまな人工の山を指し、登れば富士山に登ったことと同じ霊験が得られるとされ、江戸時代に各地でつくられました。富士山下駅近くの富士塚は、急げば10分ほどで登り切ることが可能で、山頂には浅間大神をまつる祠があります。

 この富士山下駅は、かつて大手企業のCMで、誤って訪れた外国人観光客に対し、山梨県にある「富士山」駅までの行き方を教えてあげる内容の動画が作られたことでも有名になりました。その富士山駅は2011年まで富士吉田駅を名乗っていたので、「富士山」を冠する駅は、それまで群馬の富士山下駅だけでした。

 そのように誤って訪れる人も、いまではほとんどいないそうですが、上毛電鉄は2024年現在もwebサイトで富士山下駅について「日本一高い山梨県・静岡県の富士山(ふじさん)ではありません。誤乗車になりませんようにご注意ください」と記しています。

 なお、富士山下駅の東側はすぐ渡良瀬川を渡る鉄橋になっており、周辺は列車の撮影には見栄えのいいビュースポットとなっています。

【了】

【登山できます】これが富士山下駅の近くにそびえる「富士山」です(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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