「世界最大になる予定」の空港…勝算は? 行って分かった現状「海外版大分空港」の側面も
「世界最大」目指す空港を実見してみた
アル・マクトゥーム空港は2023年現在、就航路線は少なく旅客ターミナルビルは閑古鳥が鳴いていました。
市内の中心部から車を使う以外さほど利便性は良くなく、ドバイメトロ都市鉄道の終着駅である「エキスポ2020」からバスで向かいましたが、行き先を分かりやすく示したバス停もなく、車内は閑散としていました。そして、到着したターミナルビルにいるのは航空会社の社員か空港の職員、あるいは警官だけ。
まるでコロナ過で緊急事態宣言が出され、嘘のように静かになった2020年の羽田空港のようだったと記憶しています。
ドバイ国際空港が早朝から混雑するのとは真逆で、駐機場も航空ショーの展示を終えた大型貨物機が駐機する以外は、離れた敷地内に保管されているエミレーツ航空のA380が並んでいたり、貨物施設が見えたりするだけでした。
目指すのは世界最大と宇宙港というアル・マクトゥーム空港ですが、開港後の整備は決して順風満帆ではなく、2010年代の終わりごろには建設が中断した時期もあるとされています。第1フェーズの完成は現在2030年ということですが、将来の経済情勢に左右されるかもしれず断言はできません。
とはいえ、大型模型の脇で発した社員の「世界最大の空港です」との言葉は自信に満ちていました。今後、「世界最大」が話題になるたびにアル・マクトゥーム空港の名前が挙げられるかもしれず、「宇宙港」に関心が集まれば、大分空港と共に名前が取り上げられ、日本でも知られるようになるかもしれません。
【了】
Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)
日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。
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