「新幹線が終日運休」の架線故障、原因と再発防止策は?JR東日本が発表
新幹線の架線故障で埼京線にも影響が及びました。
暫定の再発防止対策と恒久対策を実施
JR東日本は2024年1月30日、東北新幹線の上野~大宮間で1月23日に発生した架線故障の再発防止対策を発表しました。
架線故障は、1月23日の9時58分頃、大宮駅の南側で発生。東北新幹線は東京~仙台間、上越・北陸新幹線が東京~高崎間で終日運転を見合わせました。東京~大宮間は、JR東日本の全新幹線が走行する区間のため、影響が広範囲に及びました。
新幹線の架線には、架線の張力を保つため、重錘ロッドと呼ばれる重りが取り付けられています。架線故障が発生した箇所では、架線の張力を調整する滑車式自動張力調整装置(WTB)の重錘ロッドが破断。重りが落下して架線が垂れ下がった状態になり、そこを列車が通過して車両のパンタグラフや架線が損傷し、異常な電気を検知したことで停電に至ったとしています。
JR東日本は、同社管内の新幹線全線でWTBの重錘ロッドの点検を実施。490箇所を点検した結果、異常は無かったとしています。また、浸透探傷試験により、2024年6月末までに追加点検も行う予定です。
暫定の再発防止対策として、新幹線全線のWTBに、重錘落下防止金具の取付を実施。東京~大宮間で7箇所の重錘ロッドも取替えます。
恒久対策では、WTBを、ばね式自動張力調整装置(STB)へ取替える予定。STBは構造が単純で、メンテナンスが容易なほか、検査時に測定する箇所を少なくできる利点があります。新幹線全線の約440箇所を対象に、順次取替えを行う方針です。
【了】
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