その名も「リニアジェット」 国内初の新造船、瀬戸内海に投入へ ウォータージェット船を代替 石崎汽船
カタチはそこまで変わらないけど水面下は全然違う!
国内初「リニアジェット船」ってなんだ?
伊予鉄グループの石崎汽船は2024年2月1日、高速船を1隻新造すると発表しました。同社が運航する松山~呉・広島の旅客航路に投入されます。
石崎汽船が同航路で運航する「スーパージェット」高速船の後継。国内初導入の推進器「リニアジェット」を装備し、高速性能を備えつつ、既存船に比べて燃費を約3割改善し、騒音と振動を低減するといいます。
サイズは既存船よりもやや小さくなります。全長はほぼ同じながら、全幅は既存船の9.8mから7.2mに。船の大きさの目安となる総トン数は約189トンから約120トンとなり、旅客定員は156名から93名まで減ります。
最大速力は、ウォータージェット推進を採用した既存船が32ノット(約59km/h)に対し、リニアジェット推進の新造船は「試運転速力29ノット(約54km/h)以上予定」とされています。石崎汽船によると、国内初の推進方式であるため、実際の速力は未確定なのだそうです。
既存船のウォータージェット推進は簡単にいうと、海水を吸い込んで勢いよく吐き出し、高速で航行する方式ですが、新採用のリニアジェットは、基本的にはプロペラ推進だといいます。プロペラに、水の流れを制御する「整流翼」を組み合わせることで、ウォータージェットのように水をまっすぐ吐き出し、高速航行を実現するものだそうです。
ちなみに、松山~広島間の所要時間は1時間強で、現行のスーパージェット船と変わらない予定だといいます。新造船整備の目的は、燃費や騒音の低減に主眼が置かれています。
【了】
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