「臨海地下鉄」を「りんかい線」が運営するのが“最適”と言える理由 地下鉄建設「2種類の補助金」から見える将来ネットワーク
東京駅と有明方面を直結する計画の「臨海地下鉄」について、事業計画の検討に3者合意が行われました。とはいえ、整備方法については様々な可能性が残されています。どの可能性が有力なのでしょうか。
「地下鉄補助」と「利便増進」どちらの補助金で整備するのが正解?
東京都都市整備局は2024年2月3日、東京駅と有明・東京ビッグサイトを結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄(以下、臨海地下鉄)」の事業計画について、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)、東京臨海高速鉄道(りんかい線を運営)の3者で検討を進めることに合意したと発表しました。
発表は「合意の事実」のみ伝える短いものですが、注目したいのは「整備主体」に鉄道・運輸機構、「営業主体」に東京臨海高速鉄道が参画予定だと明記していることです。
これまでの鉄道整備は、事業者自ら路線を建設・営業する「上下一体方式」が一般的でした。しかし近年は、鉄道施設の建設を担う「整備主体」と、完成した路線で営業する「営業主体」が異なる、「上下分離方式」が増えています。
2022年11月に公表された「事業計画検討会事業計画案」には、事業スキームは「地下高速鉄道整備事業費補助(地下鉄補助)」または「都市鉄道利便増進事業費補助(利便増進)」を想定すると記しています。
「地下鉄補助」と「利便増進」のスキームの違いはあとで説明するとして、今回都が鉄道・運輸機構を整備主体に想定しているということは、「利便増進」を採用しようとしていることが分かります。
ただ、東京都都市整備局に話を聞くと「事業者を選定との一部報道もあるが、あくまでも"都の要望"であり、決定事項ではない」とのこと。また「利便増進以外のスキームも選択肢に含まれている」と述べていますが、「予定」であれ事業者名を明記して発表するからには、利便増進が基本線であることは間違いないでしょう。
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