「臨海地下鉄」を「りんかい線」が運営するのが“最適”と言える理由 地下鉄建設「2種類の補助金」から見える将来ネットワーク

「りんかい線」をめぐる「あの話題」の行方は?

 ひとつ懸念があるとすれば、2014(平成26)年に一部報道された「JR東日本の東京臨海高速鉄道買収交渉」の行方です。そのような交渉が実際にあったのか定かではありませんが、羽田空港アクセス線臨海部ルートの関係で経営統合を期待する声があるのは事実です。

 ところが国交省によると、利便増進の営業主体は施設使用料を長期にわたって安定的に支払う前提なので、事業者の変更は想定していないとのこと。経営規模の大きいJR東日本との統合であれば認められないことは無いと思われますが、今後の議論において一定の制約になるかもしれません。

【了】

【画像】えっ…!これが「臨海地下鉄」のルートです

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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