乗り通す人いるの…? 大和路線の異例ロングラン列車「京都行き」増発へ 所要時間“2倍”なぜ存在?
JR大和路線に存在する異例のロングラン直通列車がダイヤ改正で増発されます。それは「JR難波→京都」。大和路線から奈良線経由で京都へ向かう大回り列車です。通常1時間で着くところを延々2時間走る列車は、なぜ存在するのでしょうか。
多方面からの直通列車が存在する「大和路線」の異色列車
関西本線のうち、JR難波駅と奈良、加茂駅までの区間は「大和路線」の愛称で呼ばれます。大阪側では大阪環状線やおおさか東線と、奈良側では和歌山線・桜井線と直通するなど、直通列車のバリエーションが豊富な路線でもあります。
そのなかでも異色の直通列車が、JR難波発で設定されている「奈良線直通」の京都行きでしょう。これが2024年3月16日(土)のダイヤ改正で増発されることになりました。
通常、JR難波から京都まではJR京都線(東海道本線)経由で1時間弱のところ、この直通列車は奈良駅を経由し、延々2時間弱をかけて走ります。現状の設定は次の2本。
・JR難波5:48発→(奈良から区間快速)→京都7:40着 ※平日のみ
・JR難波6:10発→(奈良から快速)→京都8:05着 ※平日のみ
これに、3月16日以降は次の列車が加わります。
・JR難波6:32発→(奈良から快速)→京都8:22着 ※土休日のみ
・JR難波6:40発→京都8:51着 ※平日のみ
・JR難波6:59発→(奈良から快速)→京都8:52着 ※土休日のみ
平日は、2023年3月ダイヤ改正で1本なくなっていた京都行きが復活して3本に。しかも新設の1本は種別変更なしで全て普通列車として運転され、2時間11分をかけて走ります。また、運転のなかった土休日にも2本運転されることになりました。
この直通列車、SNSでも存在自体を意外に思う人が見られるほどで、乗り通す人はほとんどいないと思われます。
JR西日本によると、これらは両線のダイヤ設定上、車両運用の都合で生じている直通列車だそうです。車両は同じですが、奈良で列車番号が分かれ、ダイヤ上は別々の列車になります。
一方、逆に京都からJR難波へ向かう直通列車は、時刻表上は存在しないものの、実は「ないわけではない」のだとか。
たとえば土休日に運転される京都22:19発の奈良行きは、奈良へ23:20に到着後、そのまま行先を変えて23:30発のJR難波行きとして運用しているといいます。このような列車は平日2本、休日1本あり、ダイヤ改正後も変わらないそうです。
奈良行きとJR難波行きで列車番号も別々ですが、これを直通のJR難波行きとして仕立てないのは、奈良線からだと「JR難波」の行先表示ができないためだそうです。
【了】
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