トラック運転手不足→「速度を上げよう」意味不明? 最高速度引上げナゼ実施? 意図が分からないとの声も

実は速度に関する改正は運輸業界が提案

 そもそも、高速道路の最高速度引上げは、トラック側の業界団体が提唱していました。2023年2月17日の経済産業省・国土交通省・農林水産省による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」でも、業界団体から「衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全装備を装着した大型トラックに限り、高速道路において時速100kmで走行することの協議を開始していただきたい」と要望が出ていました。

 業界団体が算出した結果によると、最高速度を20km/h引き上げて100km/hにすれば、東京~大阪間輸送の拘束時間は1.5時間短縮されるとのこと。ヤマト運輸も同じ検討会で、大型トラックの速度規制が撤廃されれば東京~大阪間で拘束時間が2時間減り、サービス維持やコスト改善につながるとしていました。

 ただ、80km/h規制は影響の大きいトラックによる重大事故を防ぐための安全対策となってきたため、引上げに対して安全面の懸念は根強いようです。
 
 他方、一般からも90km/hといわず「100km/hにしたらどうか?」という意見が、警察庁の実施したパブリックコメントでも寄せられています。しかし、有識者会議では「これより高い速度への引き上げは、車両の安全性能が担保されていないこと等を踏まえれば、現時点では不適切」と結論づけています。

 なお、今後は政府主導での賃上げや荷待ち・荷役時間の短縮なども計画されており、業界の改革はさらに進められることとなります。

【了】

【おお…デカくてイカつい!】これが、大型車のパーキングブレーキです(写真)

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