「無難設計じゃF-16に勝てないんだよ!」→激変 仏「ミラージュ2000」が生まれるまで

初飛行後も続いた「F-16とのスペックレース」

 ミラージュ2000は初飛行でアフターバーナーを使用せずに音速を突破するなど、スーパークルーズの先駆けともいえる良好な飛行性能を証明しました。

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ミラージュ2000(細谷泰正撮影)。

 最初の量産型、ミラージュ2000Cが1983年から生産が始まったのに続いて、複座の戦略爆撃機型ミラージュ2000Nの開発もスタート。ここでは新たに地形追従レーダーが開発され、超低空を1100km/h以上の高速で飛行する能力を獲得しています。ミラージュ2000Nは1993年から生産が始まり、老朽化していたミラージュIV戦略爆撃機と交代しました。

 しかし、順調に生産と部隊配備が進んでいた同機も1980年代後半になると、新型多機能レーダー火器管制装置を搭載したF-16C/Dの出現に伴い、機能面で見劣りするようになりました。

 そこで、携行兵器の増加と多目標同時攻撃能力を付加するため新型レーダーが開発され、換装が行われることになりました。こうして多機能化した新型はミラージュ2000-5と呼ばれ1991年から量産されています。

 ミラージュ2000はフランス空軍が1991年に湾岸戦争に投入して以来、多くの紛争で実戦を経験してきました。

 1996年には領空侵犯したトルコ空軍のF-16Dをギリシャ空軍のミラージュ2000がエーゲ海上空で空中戦の後、空対空ミサイルで撃墜した実績もあります。

 最終的に、ミラージュ2000は9か国に採用され2007年にギリシャ空軍向けの601号機をもって生産を終了しました。本家のフランス空軍においては後継機ラファールの配備が進み、最後のミラージュ2000Cが2022年6月23日に運用を終えましたが、輸出先の国々ではこれからもしばらくの間、本機の活躍が続く見込みです。

【了】

※一部修正しました(3月10日15時15分)

【写真】1機だけ? 幻の「ミラージュ2000」改良発展型の全貌

Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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