「明らかに翼おかしいぞ」ロシア異形の戦闘機Su-47は何を求め、廃れたのか ほとんどオバケなルックス!?
「Su-47」は時代の流れにやられてしまった?
Su-47はたった1機のみ製造されました。しかし、秘密のベールに包まれがちなロシア機ではあったものの、今も画像は比較的多く残されていることから、特徴あるその姿と相まって、Su-47を知る人は少なくありません。
前進翼が期待されたのには、米国のF-14、F-15、F-16やロシアのSu-27、Mig-29に代表される運動性の高い戦闘機が次の世代にも求められていた背景がありました。しかし、戦闘機のトレンドは、1988年に米国がステルス戦闘機F-117の存在を発表して一転しました。ステルス性の確保が戦闘機の最優先条件となったのです。
それまで、ロシアは旧ソ連の頃から西側諸国の機体を“真似”すると言われていましたが、Su-47では実験機X-29を追い越すべく実用化までを狙ったのかもしれません。しかし、ステルスが主流となったうえ、運動性もエンジン・ノズルの向きを変える推力偏向装置により確保できることとなりました。さらにロシアの戦闘機において、運動性の良さで勝利を収めたのはSu-27シリーズでした。
前進翼機はインパクトのある姿でした。しかし、それ以上に、優れた機能でもほかに重視する条件が現れれば、廃れることを印象付けたのかもしれません。
【了】
Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
コメント