東京多摩を貫く「幻の街道」とは? 青梅街道から“分岐するはず”の大幹線 影も形も…ちょっとある!

ここが「新五日市街道」なのか! わずかな開通区間とは?

 その一つが、西武新宿線の花小金井南口(小平市)で東西に延びる約300mの道路。大きな中央分離帯のある道路が、小金井街道などから南口バスロータリーのアクセス路として整備されています。小金井街道から先もわずかに用地が確保されているものの、いまは自転車駐輪場として機能しています。

 このほか、同じ小平市の武蔵野美術大学構内を含む約500m、立川市北部の都営立川松中アパートを貫く「松中団地通り」約800mの区間も新五日市街道に該当しますが、いずれも短い区間で、とうてい1本の街道として認識できるものではありません。

 計画上の新五日市街道は、青梅街道から分岐したのち、現五日市街道の北側に並行し、立川市内で現道に合流、拝島駅の西側で国道16号と一部重複しつつ、そこから武蔵五日市駅前へ通じます。国道16号から武蔵五日市駅までは拡幅された4車線道路として完成しており、「睦橋通り」の愛称がついています。

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あきるの市内の睦橋通り。国道16号より西側は新五日市街道として整備が完了している(ドライブレコーダー)。

 2024年現在、新五日市街道として事業が進んでいるのは国道16号の東側、米軍横田基地を通る福生市内の1.1km区間で、ここは現五日市街道を拡幅しています。

 このほか2022年から、バイパス区間にあたる小平市内の府中街道に接続する444m区間も事業が始まりました。ここは地下を通るJR武蔵野線を地上で横切ります。

 他方、その計画がほとんど進んでいないのが、バイパスの起点部にあたる西東京市内です。前出した青梅街道の6車線部は新五日市街道が重複する区間にあたりますが、青梅街道から分かれたバイパス部は未着手で。その計画線は田無駅南側の住宅街を貫くことになります。

 市は2024年1月に道路整備計画の素案を公表し、市民からは「なぜ、優先整備路線になっている新五日市街道が事業化にならないのか」という意見のほか、もはや必要なしという反対意見も寄せられています。これに対し市は「東京の発展に寄与する路線として、今後も必要であると評価されています」「早期事業化を施行主体である東京都に要請します」と回答しています。

【了】

【大幹線じゃん!?】これが多摩を貫く“幻の街道”です(地図/写真)

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