「旅客機は雷落ちても大丈夫」のはずでは!? JALが「被雷率半減」装置を導入した切実なワケ アナログっぽいのも理由あり
JALグループが、国内の空港で被雷回避判断支援サービスの運用を開始しました。旅客機の落雷はどのような影響があり、そしてどういった傾向があるのでしょうか。このサービスの導入で、何が変わるのでしょうか。
なぜ冬に落雷が多いのか
夏の雲は、明らかに活発な動きをしている大きな積乱雲系のものが多く見られるのに対し、冬は比較的活発でない雲が発生するケースが多いといいます。JALのパイロットの説明をまとめると、活発な雲はコクピットのレーダーで強い反応がでるほか、目で明らかに確認できるため、余裕をもって避けることが可能なケースが多いそう。一方、冬はレーダー上の反応が弱い雲が張っている状況で、近くを飛んだ結果、避雷することが多いということです。また落雷の被害は羽田・成田のほか、日本海側に多いなどの地域的な特徴も。
「Lilac」は文字情報で構成される「アスキーアート」で、地上から飛行中のパイロットへ雷雲情報を提供するというもの。これを用いてパイロットは被雷を避けた到着経路の選定や着陸時間の調整を行うことができるようになります。なお、「Lilac」のパイロットへの情報伝達は、コクピットにあるFAXのような装置「ACAS」によって行われます。
アナログにも見える「アスキーアート」の利用。2社によると、これを用いるのはパイロットの使いやすさを重視したほか、この伝達方法で「ACAS」を用いることで、従来式のコクピット設備を持つ型式でも使用できる即応性を重視したためとのことです。
なおJALでは夏季は運航便数の多い羽田、伊丹、沖縄空港、および九州エリアなどで、冬季は小松空港や青森空港などの日本海側の空港で「Lilac」を使用するとしています。
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