神戸空港閉鎖で話題「車輪出し忘れて胴体着陸」防げないの? 対策法は「外からの目」!
「脚の出し忘れ」が指摘されることもある飛行機の胴体着陸事故。こういったことを回避すべく取り組みが行われています。世界の先進事例はどのようなものなのでしょうか。
これまでも「あえて声に出す」で対策
2024年5月31日、神戸空港で小型の飛行機が胴体着陸事故を起こしてしまいました。今回の事故の要因については確認中ですが、一部報道では「脚の出し忘れ」が濃厚とされています。実は同様の要因で着陸してしまう事故は毎年何件か発生しています。その対策方法はどのようになっているのでしょうか。
こういったケースで負傷者が出る事は、ほかの航空事故と比べると少ないものの、機体の撤去や点検作業のために、滑走路を閉鎖させてしまうこともあります。そうなると、他の航空機の運航に支障をきたしてしまいます。
たとえば、2018年9月16日に大分空港で起きた小型機の胴体着陸事故ではパイロットが脚を出し忘れて着陸してしまったことが原因と発表されています。この事故では大分空港が2時間半にわたって閉鎖され、JAL(日本航空)やANA(全日空)の計14便が欠航になる影響が出ました。
実はパイロットはそのようなミスが発生しないよう、日頃から対策をしています。たとえば着陸前に読み上げる「着陸前チェックリスト」と呼ばれる表があり、 “脚出し”はそのひとつ。順に確認を行っていく項目のなかで1番重要なものとも言えます。
このあえて「チェックリストを使う」というのがポイントです。
実はチェックリストの内容は暗記してはいけない事になっています。というのも、人間の記憶が曖昧であてにならないというのは、長年の航空安全の分野における研究で明らかになっているからです。もし万が一、そのうちの1つをうっかり忘れてしまったら――危険に直結します。なので、毎回リストを読みながらチェックする決まりがあります。
にもかかわらず、なぜ脚の出し忘れによる事故が実際に起きるのでしょうか。着陸前のチェックリストは1回だけでなく、何回繰り返しでもよいものです。しかし、飛行中に何らかの事情でその一部を飛ばしてしまったり、後回しにしてしまったりする事も考えられるでしょう。
実は、このような事故を防ぐ効果的な方法があり、実践している制度があります。
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