『ガンダム』『エヴァ』リミッター解除! 戦闘機でもできる!? ほとんどのパイロットが使ったことない“禁断のモード”とは
アニメや映画で目にするロボットの「リミッター」。これを解除し戦う様は、視聴者の心をつかみます。似た機能は現実の戦闘機にも搭載されてはいますが、いざ使うとなると話は別。「パンドラの箱」のようなものかもしれません。
現実の戦闘機にも類似の機能あり
日本の誇りであるロボットアニメは、世代を超えて人々の心を魅了し続けています。その魅力のひとつは、主人公たちが乗り込むロボットが持つ「リミッター」でしょう。通常時よりも圧倒的な力を発揮する一方で、パイロットや機体に負担をかけるというリスクも伴う、実にドラマチックな設定です。
『機動戦士ガンダム00』の「トランザム」、『蒼き流星SPTレイズナー』の「V-MAX」、『新世紀エヴァンゲリオン』の「裏コード ザ・ビースト」など、記憶に残るリミッター解除は数多く存在します。しかし、これらの機能は性能向上と引き換えに、命懸けで戦う登場人物たちを更なる苦難へと突き落とすのです。
アニメの世界だけの話ではありません。多くの戦闘機にも、リミッターと類似の機能が搭載されています。
第二次世界大戦世代の戦闘機には「水(またはメタノールなどの混合物)噴射装置」と呼ばれるリミッター制限引き上げを行う機能が存在しました。これは、ノッキングと呼ばれる異常燃焼を抑制することで、数分間だけエンジン出力を向上させるものでした。ほかにも「亜酸化窒素ガス噴射」はノッキング抑制とともに空気の薄い高高度での燃焼を助けます。水噴射はジェットエンジンでも使われており「ウェット出力」とも呼ばれ、一時的に推力を増加することができます。
現代の戦闘機では、推力増強装置としては「アフターバーナー」が主流ですが、アフターバーナーは数秒しか使われないため、これも一種のリミッター解除に近い機能であるといえるでしょう。
F-15「イーグル」にはアフターバーナー使用時に、さらにリミッターを解除する「V-MAX」と呼ばれる機能が搭載されています。「V-MAX」は、6分間限定で推力を4%増強できる機能です。しかし、使用後は必ずエンジンの内視鏡検査が必要となり、通算使用時間も制限されています。
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