おいショベルカーなのに “タイヤ” だぞ… 実は海外じゃメジャー方式 言われてみればメリット多数!

ホイール式の問題点は? それでもメリット大な理由

 もちろん、ホイール式にはクローラー式と比べてデメリットもあります。

 一番の違いは安定性で、ホイール式が装着しているタイヤは重量や地盤の状況によって変形するため、固定部品で構成されたクローラーと比べて車体自体の安定性が低くなります。このため、地盤が緩く斜面などもある不整地の工事現場では、クローラー式油圧ショベルの方が作業に適しているといえるでしょう。

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「EWR130E」のホイール部分。展示車両オプションで選べる前後が独立してステアリングできる4WS仕様となっていた(布留川 司撮影)。

 ただ、一方で地盤がしっかりした都市部などでの工事では、タイヤを装着したホイール式の方が地面を痛めることなく、かつ現場への移動も前述したようにクローラー式よりもスムーズに効率よく行うことができます。

 ホイール式油圧ショベルにはメリットだけでなくデメリットもありますが、今後は日本国内の工事現場についても人手不足による効率化が求められるようになることは間違いないでしょう。そのため近い将来、このようなホイール式の建機は今まで以上に、見かけることが多くなるかもしれません。

【了】

【ドリフトできる!?】これがタイヤ式油圧ショベルの運転席です(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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