異例「旅客機の米軍基地への代替着陸」その裏側 かつて体験した機長に聞く「自動小銃を持った兵士が…」

旅客機がやむを得ない事情で行う「目的空港以外への代替着陸」。この代替先に米軍基地が選ばれることがあります。その裏側はどのようなものなのか、実際にそれを体験した機長に聞きました。

民間空港への代替着陸とどこが違うのか

 この機長に嘉手納基地への代替着陸の件を聞いたところ、「仮に機外に出ることができても、写真撮影は当然禁止。スマートフォンを持っていくこと自体はできたとしても、カメラは機内に残して出るように要請されたでしょう」と話しています。

 一方、同氏によると、米軍基地でなく日本各地の代替空港へ降りた後は、操縦技術とは別の力が求められるということです。

 代替着陸した後はいつ再出発できるのか、それとも運航自体を断念するか――気象図を運航管理者と一緒ににらみ、判断しなければなりません。

 代替着陸した空港と目的地となる空港がさほど離れていなければ、バスやタクシーで乗客を送り届けることができます。しかし、空港間が離れていたり、着陸時間帯が深夜になったりした場合は、地上の交通機関の確保も容易ではなく、今度はホテルや旅館の確保に奔走することになります。

 これらの手配は現地の支店や空港支店の地上社員の仕事になりますが、その作業の発端を決めるだけに、機長も代替着陸した空港で、地上に降りて、予測される気象の変化と飛行への影響を社員や、全体のフライトを管理している運航管理センターと調整しなければなりません。地上社員への説明は、そのまま乗客への説明のもとになるわけですから、丁寧でわかりやすさが必要とされ、これには操縦技術以外の高いコミュニケーション能力が求められるということです。

【了】

【フライト時間短ッ!】激レア「嘉手納発那覇行き」のJAL・ANA便飛行記録

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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