エアバスの大ヒット旅客機シリーズに「胴体激短の異色機」が…イマイチ売れなかったワケ ただ“スゴイ使われ方”も!?

エアバス社のベストセラー機「A320」シリーズには、胴体短縮がやけに短い派生型「A318」が存在します。この機はA320シリーズのなかではイマイチな売れ行きでしたが、ユニークな使用法がありました。

売れなかったけどユニークな使われ方も

 A318がヒット機とならなかった要因のひとつとしては、1990年代から2000年代に、地方間輸送を担う100席以下のジェット旅客機「リージョナル・ジェット」が次々と出現したためと見られます。「リージョナル・ジェット」は新設計が採用されたゆえ、既存設計で大型の旅客機を縮めたA318よりも機体価格や運航コスト、重量などを抑えることができました。

 たとえばA318よりわずかに少ない標準座席数をもつエンブラエル190の最大着陸重量は44t。これはA318より13tも軽い値です。重量が軽ければ着陸料も安く済み、航空会社側からすると、運用コストが低い旅客機ということになります。そうした経緯でライバル機に市場を奪われてしまったのです。

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ロンドンシティ空港(乗りものニュース編集部撮影)。

 とはいうものの、このA318のなかには、とてもユニークな使われ方をした機体も。この機には通常3度の降下角のところを5.5度まで対応できる「Steep approach(急角度アプローチ)」機能が備わる機体が存在しました。エアバスはA318を「この機能を備えた最大サイズの旅客機である」と紹介しています。

 この機能を用いてかつて運航されたのが、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズのロンドン~ニューヨーク線。便名はかつて超音速旅客機「コンコルド」運航便で用いられた「1便」「2便」で、32席仕様のオールビジネスクラス仕様機とした裕福層向けの便でした。

 この路線でのロンドンの発着空港は、国際線の玄関口であるヒースロー空港ではなく、ロンドンシティ空港を使用。ロンドンシティは市街地へのアクセスに優れているものの、滑走路が短く降下角度が急であることから、就航できるジェット機は限られていました。そこで急角度アプローチを備えたA318が用いられたというわけです。

【了】

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