エンジンが…尻に!! 常軌逸した珍設計の「プロペラ民間機」、まさかの”復活”!? 「アタマどっち!?」必至

小型のプロペラ単発機は機首部分にプロペラエンジンがあるのがスタンダードですが、その概念を覆すようなモデルが「ジェットクルーザー」です。量産化されずに終わったこの機を活かした新たな取り組みも始まっています。

量産化ならぬも「復活させるぞ」の動き

 小型のプロペラ単発機は機首部分にプロペラエンジンがあり、胴体後方に垂直尾翼、水平尾翼といったレイアウトが採用されているのがスタンダードです。しかしこれまで、その概念を覆すようなモデルが出現したこともあります。アメリカに本拠を構えるAASI(Advanced Aerodynamics and Structures)が手掛ける6人乗り単発ターボプロップ機「ジェットクルーザー(Jetcruzer 450)」です。

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AASI「ジェットクルーザー」(画像:ジェットクルーザー・インターナショナル)。

「ジェットクルーザー450」は機体前方に「カナード」と呼ばれる先翼が備わるかわり、胴体後方に翼はありません。また、主翼の翼端は大きく反り上がっています。なんといっても最大の特徴は、最後部に、プロペラエンジンを備えていること。機体は後方から押されるような形で推進します。

 こうした「推進式」のエンジン配置は、軍用機の世界では戦時中、いくつか実用化された形状ですが、民間機とめったに見られないデザインです。

「ジェットクルーザー450」は量産化のための重要なステップであるFAA(アメリカ航空局)からの型式証明を取得。その後、量産型の「ジェットクルーザー500」をはじめとする各種派生型も開発されたものの、資金難から「ジェットクルーザー」プロジェクト自体がとん挫し、実用化まで至りませんでした。

 しかし、この機体を用いた新たな取り組みも始まっています。カリフォルニアに本拠を置くジェットクルーザー・インターナショナルはAASIを買収し、「ジェットクルーザー」を電動航空機にする計画を発表しました。2023年時点ではジェットクルーザー450・500の電動バージョンを開発してテスト機として使用したうえ、将来的には電動推進装置を双発にし、大型化し10人を乗せられるキャパシティを持つ「ジェットクルーザー1250E」の開発を目指しているとしています。

【了】

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