「基地内は米国です」なのになぜ「左側通行」? 交通ルールは日本流の嘉手納基地 「そこだけは米国流か!」ルールも

「左側への切り替え当日」嘉手納基地の様子

 回答では合わせて、基地の外の行政機関と同じように、7月30日は午前6時に交通が再開された後も基地関係者に自宅待機を促した。ドライバーが新しい運転パターンに慣れるまでの間、交通量をできるだけ少なくするようにし、31日の月曜日は、出勤に余裕を持ち少し早めに家を出るようにドライバーへ促し、軍関係者に交通状況の最新情報を知らせるよう徹底した――ということも記されていました。

 いわば、日本本土返還後も基地内は米国なものの、仮に左側通行のままであれば、基地の出入り口で走行レーンを左右入れ替えるのは多額の費用が掛かるうえ、交通事故の危険性も増します。このため、日本の「ナナ・サン・マル運動」に合わせたといえるのでしょう。

 自動車自体の運転については、今も交通事故防止へ「地域社会の一員として責任ある隣人」(嘉手納基地報道部)として、基地では運転者講習や筆記試験を経て、自動車が運転できるということです。

 その中で、日本の交通ルールと異なる例外は、米国内の右折と同じように交通の流れが許せば赤信号でも左折できること。それと、毎日17時に基地内で日本と米国の国歌が拡声器から流れる際は、交通が止まるということです。

 これらを除けば、日本国内の道路事情と変わらない嘉手納基地ですが、「あるある」ネタとして知られるのは、たまに交差点を曲がる際にワイパーの動く右ハンドル車を見かけること。ウインカーを出す際に誤ってハンドルの左にあるワイパーのレバーを操作してしまうためですが、それで「米本土からの転勤者が運転しているな」と一目で分かるそうです。

【了】

【写真】日本だかアメリカだかわからなくなる! これが「嘉手納基地内の道路」です

Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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