海の上の橋ってなぜ「吊り橋」ばかり? 長ぁーい橋をあえて“吊る”納得の理由があった!
船舶との事故を避けるためにも吊り橋は適任!
日本で一番長い橋は東京湾アクアラインのアクアブリッジで、長さは4425mになりますが、42基もの橋脚で橋を支えています。対して、橋の長さでは3911mと及ばない吊り橋の明石海峡大橋は、主塔が2基しかありません。なお、同橋の中央支間長(塔と塔の距離)は1991mで、これは世界2位の長さとなります。
なぜ橋脚を少なくするかというと、海峡などでは、橋を通す全ての海域で水深が一定でないケースも存在するからです。水深の深い場所に橋脚を作ろうとするほど余計にコストがかかってしまいます。
加えて海峡の場合、潮流と周辺を航行する船の多さなども吊り橋が採用される大きな理由となっています。潮流が速い場合、船舶があらぬ方法へと流される可能性も高くなります。こうした場所に橋脚の多い橋を建造すると、それだけ船舶が橋脚にぶつかる可能性も高くなります。また、橋脚で海峡がふさがれてしまうと、多くの船舶で混雑するほか、船幅が広い船は通れない可能性も出てきてしまいます。
大鳴門橋が架かる鳴門海峡や、明石海峡大橋が架かる明石海峡などは、凄まじい流れの潮流になることがあるため、あえて吊り橋を採用しているのです。
ちなみに、首都高のレインボーブリッジは吊り橋ですが、横浜ベイブリッジは、吊り橋のように見えて「斜張橋(しゃちょうきょう)」と呼ばれ、厳密には吊り橋と区別されています。
【了】
※一部修正しました(7月15日12時10分)。
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
鳴門大橋ではなく大鳴門橋です。