JALの中国特化型 “緑のLCC” どう舵切り? 就航10周年で超攻めた!「日本人の利用者」増加のカギは

JALグループのLCC「スプリング・ジャパン」が就航10周年を迎えました。その記念日に、同社の浅見達朗社長が現状と今後の戦略について話しています。

復調の「スプリング・ジャパン」、今後の戦略は?

 スプリング・ジャパンは、2024年第1四半期(2024年4月から6月)の業績において、回復傾向にある中国発需要を取り込み国際線の有償旅客数が約6倍に。全体の有償旅客数は前年比+76.6%となり、有償座席利用率も大きく向上しています。

 セレモニー後、メディアとの質疑に応じた浅見社長は、直近の好調な業績の要因について「中国路線の好調な利用がドライバーになっている。インバウンド(訪日旅行者)の需要が着実に回復してきているので、ここをしっかりやっていくということに尽きる」と語っています。

 一方で、日本人旅客のアウトバウンド需要については、「15日間のビザなし渡航がトリガーになると思っている。あれがないと、やはり需要喚起もなかなか難しい」と見通しを語っており、「状況を見ながら、日本側の需要喚起もやっていきたい」との考えを示しました。

 成田~北京線就航に続く、今後の路線展開については、「いろいろ見ているところだが、大きい都市からそうでもない都市まで広く見て、チャンスがあるところにいきたいと思っている。発表できる時期がきたらしっかり発表したい」と堅実な考え。機材計画についても、「たしかに今、足元のロードファクター(有償座席の利用率)が高く保てているので、今回始める便も含めて、ロードファクターと収益性をしっかり見て、増機できるタイミングがあれば拡大していきたい」と、具体的な計画は示さないものの前向きな考えを示しています。

 なお、NAAの田村社長は、同社の設立以前にワン会長の父親である王正華氏と面会した思い出に言及し、「春秋航空を持っておられる会長に『なぜ日本の航空会社が必要なのか』とお伺いしたら、『ジャパン・クオリティの航空会社が大切だ』とおっしゃっておられた」と懐古。スプリング・ジャパンが備える「中国の確たるベース」と「ジャパン・クオリティ」のミックスに期待を寄せたうえで、近年の多彩な事業展開による需要対応に「私どもにとっても非常に大事な航空会社になっている」と評価していました。

【了】

【写真】えっ…これが「JALの中国特化型LCC」全貌です

Writer:

1981年広島県福山市松永町生まれ。英キングストン大学卒。専門誌記者など職を転々とした後、フリーの翻訳・文筆家として活動開始。瀬戸内エリアなど多拠点で多様なテーマに向き合う。著書に『羊と日本人〜波乱に満ちたもう一つの近現代史』(彩流社)。

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