新千歳空港「ハサミなくなり大混乱」なぜこうなった? 9.11直後に「出刃包丁」持ち込む人も
それまで「刃物持ち込みNG」ルールはゆるかった…?
米国は刃物によるハイジャックをなぜ防ぐことができなかったでしょうか。
様々な検証がされていますが、筆者の記憶に残っているのは、同時テロ後に会った国交省のある幹部が、「米国は銃社会のため、刃物より威力が高い銃にばかり目が向いていたのかもしれない」と話していたことです。
一方国内では、同時多発テロに先立つ2年前、日本でも羽田発のANA機でハイジャックがあり機長が刺殺される事件が起きています。この事件により、日本国内では刃物類が危険との認識は高くなりましたが、その認識を世界中へ一気に広めたのが同時多発テロだったともいえるでしょう。
これは、航空機の事故防止の際に警鐘として出てくる「ツームストーン・セーフティ(墓標安全論)=誰かの犠牲により安全確保に気づかされる」に通ずるのかもしれません。
翻って、新千歳空港での今回の件に目を転じると、遅れや遅延で乗客は迷惑をこうむった反面、ハイジャック事件のような犠牲者が出ることはありませんでした。そして、刃物類が搭乗の際は非常に危険視されることも改めて明らかになりました。今回の件で、保安検査への理解が今以上に深まるように願うばかりです
【了】
Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)
日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。
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