ステルス戦闘機F-35の“怪物エンジン” なぜ更新が急務? 次世代モデルへ避けて通れない壁とは
航空自衛隊も導入を進める第5世代ステルス戦闘機F-35「ライトニングII」のエンジンがすでに能力不足に陥っているとか。性能向上を図るためには新エンジンへの換装が必須のようですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。
1基でF-15用エンジン2基分のパワー持つ“怪物”
F-35「ライトニングII」戦闘機に搭載されているエンジンはプラット・アンド・ホイットニー(P&W)社製のF135アフターバーナー付きターボファンです。
F135は戦闘機用としては世界最強ともいえる圧倒的なパワーを誇り、エンジン1基あたりの推力はF-15用エンジンの2倍もあるとか。すなわち単純計算でいえば、F-35は単発機ながら双発機であるF-15に匹敵する推力を持っているといえます。
いい換えるなら、卓越した怪物エンジンであるF135は、30tにも及ぶ最大離陸重量を支えるF-35の心臓と形容することができるでしょう。
しかし、技術の進歩は止まることを知りません。F-35の性能向上を図るため、より高出力な新エンジンの開発が行われています。その新エンジンの名はジェネラル・エレクトリック社製「XA100」と、プラット・アンド・ホイットニー社製「XA101」です。
では、これら新しいエンジンは、F-35をどのように劇的チェンジさせるのでしょうか。
XA100とXA101エンジンが従来のF135エンジンと大きく異なるのは、「アダプティブエンジン」という技術が採用されている点にあります。アダプティブエンジンはターボファンエンジンの一種とみなすことができます。
ターボファンとはジェット排気をタービン(風車)にあて回転力を抽出し、その力でファンを回転させるという、ジェットエンジンながら部分的にプロペラの要素を加えたエンジンで、2024年現在、軍民問わず空を飛行しているジェット機のほぼすべてがターボファン方式のジェットエンジンを用いています。
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