基地内に保育園あります!「女性自衛官のパイオニア」出産・育児を巡る心情を吐露

コロナ禍で料理に開眼!

 家族のお話にちなんで、乗員家族へのフォローについても伺いました。出港などでどうしても家族と長期間離れるケースが多い海上自衛隊。それゆえに、隊員家族を大切にしているなと、夫が海上自衛官である筆者(たいらさおり:漫画家/デザイナー)は実感しています。

 実際、入港時には「アットホーム」という家族向けの艦内見学イベントを企画するなど、家族の仕事内容を知るきっかけも作ってくれます。確かに私自身、海上自衛官の妻として、夫が家を長期不在にする際には不安を感じたこともありますが、少しでもその不安を和らげられるよう部隊側が苦心しているのは感じるので、そのおかげもあって安心感を持って送り出すことができています。

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神奈川地方協力本部長として、クッキーを作ってきた際の大谷1佐(画像:自衛隊神奈川地方協力本部)。

 ほかにも、ここ数年のコロナ禍のお話も伺いました。コロナ禍ではイベントもままならず、自衛隊でも苦労の連続だったそう。

 特に大谷1佐は、コロナ禍がイージス艦「みょうこう」の艦長時と重なったこともあり、感染予防にはこれ以上ないほど気を使って官舎と艦を往復するだけの日々だったとか。家族とは離れて暮らすため、ビデオ通話でのやりとりのみ。休みの日の外出も食材を買うための商店のみというストレスフルな生活の中で、自炊という楽しさに目覚めたと語っていました。

 通販で調理道具をひと通り揃え、やがてはハンバーガーをパンから作るほどに料理の腕が上達したそうで、困難の中にも楽しみを見出せる工夫はさすがです。離れているあいだに会得した暮らしの工夫が、家族と再会したときにも生きてくるのでしょう。

 報道などで拝見するキリリとした横顔とはうって変わって、料理のお話をする大谷1佐の、さまざまな経験を乗り越えた先にある飾らない素顔が素敵でした。

【了】

【劇的に変わったかも】女性自衛官の出産・育児「ビフォー・アフター」(マンガを読む)

Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)

漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。

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