空自の次期戦闘機「頭脳と眼」は誰が作るの? 見えて来たヒント…その根拠とは

MBDAがキーマン?

 戦闘機への搭載兵器として、日本もこれまで99式空対空誘導弾(AAM-4)や93式空対艦誘導弾(ASM-2)などを開発してきました。しかし、輸出はされず空自が採用したのみです。加えて精密誘導爆弾などの対地攻撃兵器の開発は、日本ではほぼありませんでした。

 これに対して、2001年に欧州内の企業のミサイル部門を統合して誕生したMBDAは、空対空と空対地で多彩なミサイルを生産しています。ミーティアやストームシャドー、スピアといったそれらの実物大模型が、専用展示場前に並べられ、それらを搭載する各国の戦闘機の模型も飾られていました。

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ファンボロー航空ショーで展示されたMBDAのミサイルなどの屋内展示場。各兵器が搭載される戦闘機の模型もあった(相良静造撮影)。

 欧州内の企業の統合で生まれたMBDAは、それだけ多彩なミサイルの開発経験があり、技術的な蓄積は日本を大きく上回っているのは確かでしょう。それゆえに火器管制・探知・通信システムの開発は、英国内で進める方が協力態勢を築きやすいといえます。そのため、英国が提携し、システム開発を進める方向が有力である可能性が高いといえます。

 さらにステルス戦闘機では、搭載兵器は兵器倉への収容が求められます。兵器倉の設計は難しく、高速かつ高機動飛行時の使用に支障がないか、ミサイルや爆弾をそれらの種類ごと個別に兵器倉へ積んで試験をしなければなりません。これも、ミサイルメーカーとの密接な協力が不可欠です。

 GCAPの開発費の分担は、日英が4割ずつ、伊が残りを負担するとの情報も散見されます。今回の火器管制・探知システムをはじめ、3か国がGCAPの開発をどのように分担するのでしょうか。

【了】

【写真】デカい…これが実物大「次期戦闘機」全貌です

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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