中央線「グリーン車」は競合に勝てるのか!? 京王&西武「ライナー」と設備を比較 “隠れライバル”は身内か
グリーン車「最大の弱点」は?
注意したいのは、グリーン車は自由席であるということです。拝島始発の東京行きや新宿始発の中央線・青梅線直通の下り電車は存在せず、通勤時間帯に拝島・新宿からの着席を狙うのは難しそうです。確実に座れるという点では、全席指定で運転される「京王ライナー」「拝島ライナー」に分があります。
ちなみに、現在の平日で、中央線快速上りの八王子始発東京行きは7時台に02・17・35・56分の4本があり、所要時間こそ長いものの、着席できる可能性が高い人気列車になりそうです。
さて、競合区間での気になるIC運賃・料金は次のとおりです。
●新宿~八王子
・「京王ライナー」(新宿~京王八王子)
819円(37.9km、運賃409円+座席指定券410円)
・中央線グリーン車
1242円(37.1km、運賃492円+グリーン料金750円)
差額:423円
●新宿~拝島
・「拝島ライナー」(西武新宿~拝島)
850円(36.9km、運賃450円+指定券400円)
・中央・青梅線グリーン車
1,233円(34.1km、運賃483円+グリーン料金750円)
差額:383円
これまで紹介してきた設備やサービスを踏まえて、高いか安いか……好みが分かれるポイントかもしれません。なお、グリーン車はSuica・モバイルSuicaで乗車前に購入した場合の「Suicaグリーン料金」であり、紙のきっぷや車内で購入の場合は1010円の通常料金が適用されます。
特急「はちおうじ」「おうめ」よりも割高になるなど、様々な話題を提供してくれる中央線のグリーン車。まずは無料の機会に試してみてはいかがでしょうか。
【了】
Writer: 和田 稔(鉄道ライター)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。
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