"赤ランプ"のまま下車…頭の痛い「グリーン車タダ乗り」問題 中央線導入でJRが直面する「ジレンマ」とは
グリーン車に乗る場合、運賃とは別に「グリーン料金」が必要です。しかし乗客がその料金を払っているかどうかの確認は、省力化の対策とともに「頭の痛い問題」としてJRにのしかかっています。
「検札済みランプ」導入されたグリーン車
東京の中距離通勤電車の多くにはグリーン車が併結されています。座席がゆったりしているなど、一般車両とは違う快適な移動ができます。その代わり、きっぷとは別に「グリーン券」が必要となります。
しかしこのグリーン車に、グリーン券を買わずに着席し、そのまま逃げ切る乗客もいます。近年は「グリーン券の有無が確認されていない状態」が周囲からも視認できる車内設備になっており、その実態がよく見えるようになってきました。
首都圏のグリーン車は、東海道線、横須賀線・総武線快速、宇都宮線・高崎線、常磐線で導入されており、Suicaを利用した「グリーン車Suicaシステム」が採用されています。
グリーン車に乗った後、グリーン券情報の入ったSuicaまたはモバイルSuica(携帯情報端末)を、自分が利用する座席の上方にある「グリーン券情報読み取り部」にタッチすると、 ランプが赤(空席)から 緑(着席)に変わります。緑のランプが点灯すると、車内改札が省略されます。乗客が降り、新たな客が乗り込んでこなかった場合、ランプは赤色に戻ります。
これらの列車には「グリーンアテンダント」という客室乗務員が乗車し、車内を見回り、赤いランプが点灯した席に座っている乗客がいないかチェックしています。もしグリーン券を持たずに座っている乗客がいたら、その場で購入してもらいます。事前に購入する場合と比べ料金は割高になります。
乗客全員の車内改札が不要となる便利な仕組みなのですが、最近、空席を示す赤ランプが点灯している席に「グリーン券」無しで座ったまま、グリーンアテンダントによる車内改札が来る前に下車してしまう乗客が少なくないという声を聞きます。SNS上でも"赤ランプ状態"で座る複数の乗客の写真が投稿されています。これは不正乗車の可能性があります。
筆者が平日の午後に東海道線のグリーン車に乗ると、近くに赤ランプが点灯している席に座っている乗客がいました。グリーンアテンダントが見回りに来たので様子を見ていると、この乗客は「紙のグリーン券」を買っていたようです。グリーンアテンダントはそれを確認すると、機器を操作してその乗客がいる座席のランプを赤から緑に変えていました。
磁気グリーン券を廃止してSuicaグリーン券だけにして端末に当てないで座ると警報なるようにすればいいと思う。