「選挙でオープンカー」なぜいない?「候補者は目立ってナンボ」とはいかない法律のカベ
第50回衆議院議員選挙が公示され、選挙カーを見かける機会が増えました。選挙カーには細かなルールが定められていますが、その中で奇妙なのが「オープンカーの使用禁止」という条文。なぜオープンカーは選挙カーに使えないのでしょうか。
選挙戦によって適した選挙カーは異なる
選挙カーには、選挙戦や選挙区に応じて適した車両というものがあります。選挙には特定の有権者を対象に選挙活動を行う、いわゆる「地上戦」と、不動層など不特定多数の有権者を相手に選挙活動を行う、いわゆる「空中戦」があるとされますが、「地上戦」と「空中戦」では適した選挙カーも変わってきます。
地方における選挙は、俗に「ドブ板選挙」とも呼ばれる「地上戦」に軸足を置いたものが多く、田畑のあぜ道や入り組んだ住宅街でも小回りが利き、有権者から握手を求められた際に応じやすい軽自動車やコンパクトカーが適しているとされます。
一方、都市部での選挙は、無党派層を相手とする「空中戦」の比重が大きく、ターミナル駅などでの街頭演説で、多くの人の目に留まるよう、大きく目立つ車両が適しているそうです。
ちなみに、変わった選挙カーの例としては、元東京都議で過去に国政選挙や都知事選に立候補していたマック赤坂氏が、ロールスロイスの選挙カーを使用していました。
また、現・太田市議(群馬県太田市)でモータージャーナリストのマリオ高野氏は、愛車であるスバル「BRZ」を選挙カーとして用いていました。選挙カーは立候補者の名前と政策をアピールするとともに、いかに有権者の目に留まるかということも重要な要素となります。すなわち、どのような選挙カーを選ぶかというところから、すでに選挙戦は始まっていると言えるのかもしれません。
【了】
Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)
「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に
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