新幹線の乗客にとって「マジで最悪っ!!」な事態を想定した訓練とは? 「早く隣の列車に乗り移って!」

「冷房が使えない」という災害

 架線断線を想定した復旧訓練では、飛来物で架線が切れ、トロリ線が垂下して停電が発生した事態を想定。停電区間に停車し、車内電源が使えなくなった列車を停電区間外に移動させる「電源確保作業(仮復旧)」と、断線した箇所に列車を走行できるようにする「架線断線復旧作業(応急復旧)」が実演されました。
 
 仮復旧から応急復旧まで、一連の流れを通しで行う訓練は今回が初めてとのこと。電源供給から運転再開に至る時間の短縮を目指し、練度を高めているといいます。
 
 停電した列車を対向列車で救援する訓練では、2編成の新幹線を結ぶ渡り板を11号車付近に設置。この渡り板は、車いすも通すことができる幅があり、実際に車いすを通過させる訓練が行われました。新幹線に別の新幹線が「横づけ」して救援するという、普段はまず見ることができない珍しい光景です。
 
 JR東海の辻村厚 常務執行役員 新幹線鉄道事業本部 本部長は「酷暑期などに停電区間に列車が停止してしまった場合、いち早く電源を復旧させて冷房を使えるようにしないと、病人が出てしまいます」としたうえで、「早期の運転再開も重要ですが、まずはお客様の救済を第一に考えるような形に訓練内容を変えています」と述べました。
 
【了】

【画像】珍しい!これが新幹線が「横につながった」瞬間です

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