「旅客機がとても強く着陸したのですが…パイロットの腕でしょうか」→「いや、プロだから“あえて”です!」…その理由とは

旅客機に乗っていると、まれに着陸時「ドシン」と衝撃が強くかかるケースがあります。実は場合によっては、こちらの着陸の方が良いケースがあるのだとか。“あえて”そういった接地を行うメリットは何なのでしょうか。

「ドシン着陸→あえて」どんなメリットが?

 こういった「しっかり目」の接地の大きなメリットとしては、接地後の機体のスピード低下が早まることが挙げられるでしょう。同氏によると、「接地がスムーズ過ぎると、機体のセンサーが地上に降りたことを認識するのがわずかに遅れ、結果としてスポイラー(主翼上で立ち上がる減速装置)の展開や逆噴射装置(エンジンの噴射方向を変えることで減速を図る装置)の作動が遅れることがある」のだとか。

 悪条件の滑走路に着陸する際は、できる限り早くスポイラーを立ち上げて制動させ、滑走路でオーバーランすることを防ぐため、強めの接地を行うこともあるとのことです。

「通常、着陸後の制動にはスポイラー、逆噴射装置、タイヤのブレーキ、機体そのものの抵抗が大きな効果を発揮しますが、滑りやすい路面ではスポイラーと逆噴射装置の効きが特に重要なので、それらのシステムを少しでも早く作動させることが肝心です」(大手航空会社のパイロット)

 乗客にとっては着陸の接地は、常に気付かないほどスムーズであればあるほど良い、と考えてしまいそうですが、「ドシン」と衝撃を感じる強めの接地は、着陸機にとって不利な空港や天候、路面状態などによっては、できるだけ早く機体を減速させ、むしろ安全運航の一助となる、プロならではのテクニックであるといえそうです。

【了】

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