「永遠に有料…?」 とっくに無料化されている“はず”の道路たち なぜまだお金とるの?

日本の有料道路は、完成後、通行料金によって借金を返済していく「償還制度」で運営されていますが、その償還期間が終わっている“はず”でも、有料のままとなっているケースもあります。それぞれ、どのような理由なのでしょうか。

料金徴収が終わらない!道路たち

 私たちの生活や経済活動になくてはならない「社会資本」である道路は、本来税金で建設され、開通後も維持管理されることが基本となっています。しかし、その建設には多額の費用がかかるため、早期の開通が必要な道路については、まず借入金で建設し、開通から一定期間徴収する通行料金によって借入金を返済する「償還制度」が採用されてきました。

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京葉道路。最初の開通から64年が経過しているが有料のままだ(画像:PIXTA)。

 じつは我が国初の高速道路である「名神高速道路」や、続いて開通した「東名高速道路」も、それぞれ18年間、23年間で料金徴収を終え無料開放する“約束”だったのです。

 ところが高速道路においてはその後、全路線で収支を合算して計算する「料金プール制」の採用により、路線単独での償還(=無料開放)は消滅することになります。

 さらにプール制でいったん定められた償還期限も、制度変更や老朽化対策に向けた費用を組み込むなど、延長に延長を重ね、現在は最長で「2115年」まで料金徴収が続く仕組みに改められました。

 このように事実上の「恒久有料化」になってしまった高速道路に対し、「一般有料道路」は「借入金を返済したら無料開放する」という原則が守られてきました。しかしなかには開通当初設定していた料金徴収期間を過ぎたにもかかわらず、有料のまま運用されている道路があります。ここではそうした道路の例と、その理由についてご案内しましょう。

京葉道路(東京都江戸川区―千葉県千葉市)

 千葉県市川市、船橋市の市街地を貫き、拡幅もままならない国道14号のバイパスとして、1960年以降に順次開通した一般有料道路が「京葉道路」です。

 この京葉道路は交通量も多く、単独で十分に償還が可能だったはずが、まず千葉東金道路、さらには東京湾アクアラインなどとあわせてのプール制とされ、料金徴収が延長されます。

 そして道路公団民営化とともに高速道路と密接な関連を持つ「全国路線網」に組み込まれ、無料開放がほぼ絶望になるとともに、料金水準も上がるという、利用者にとって不満の残る取り扱いとなっています。

第三京浜道路(東京都世田谷区―神奈川県横浜市)

 1965年に全線開通した「第三京浜道路」も、前述の京葉道路と同じ建て付けで無料開放が遠のいてしまった一般有料道路です。

 まず1988年に接続する横浜新道、さらに横浜新道から接続する横浜横須賀道路とのプール制に組み込まれることになります。

 さらに道路公団民営化で全国路線網の一部となったのち、通行料金260円(全線通行時/普通車)も、390円(同)へと値上げされています。

 なおこのとき、他路線に比べ高い料金水準だった横浜横須賀道路は1440円(同)から950円(同)へと大幅値下げされました。路線間の料金を上げ下げして、その違いを均した形です。

【えーー!!】これが「60年前の京葉道路の風景」です(写真)

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