新幹線の建設資金はどこから来るのか? 北陸新幹線「敦賀から先の開業」がだいぶ先になりそうなワケ

整備新幹線の最初の区間である北陸新幹線・高崎~長野間の開通から、もうすぐ30年です。この整備新幹線は今もほかの区間で建設が進みますが、その資金はどこから来るのでしょうか。この資金のやり繰りは、北陸新幹線の新大阪延伸に時間がかかるのにも関係しています。

まだまだ先が長い「北陸」新大阪延伸

 新規着工3区間の事業費約3.3兆円は、2015(平成27)年度から2040年度の貸付料収入1兆2000億円と、国費約1兆5000億円、地方負担約7500億円とされました。しかし敦賀開業は13年後(2025年)、札幌開業は23年後(2035年)予定という長い工期に不満が上がったため、開業時期の前倒しを検討します。

 最大の問題は費用です。開業時期を1年前倒しすると、1年分の国費・地方負担約1100億円の財源がなくなるため、新たに確保する必要があります。逆に言えば、整備新幹線の建設に長い時間がかかるのは、1年あたりの予算の制約があるからです。

 そこで北陸新幹線を3年、北海道新幹線を5年前倒しするのに必要な約5400億円のうち約4560億円を、新規着工3区間の開業後30年間の貸付料を担保とする借入金で調達し、残りは国と地方が負担することになりました。

 現時点では、国費・地方負担は2030年度まで「予約済み」です。一方、金沢~敦賀間延伸の事業費は当初予算の約1.2兆円から約5000億円、新函館北斗~札幌間は約1.7兆円から約6000億円上振れしており、後者は難工事で数年程度開業が遅れると発表されており、さらに増えるおそれがあります。

 事業費が膨らめば財源はますます逼迫(ひっぱく)します。早期着工・開業が求められている北陸新幹線敦賀~新大阪間の財源は、札幌延伸開業後でないと確保できないため、最も早くても2031年度着工、2046年度開業とされています。しかし事業費は当初の約2兆円から約3~5兆円に増える見込みで、財源確保はますます困難になります。

 建設財源を担う貸付料も、現行の制度では開業31年目以降の取り扱いは未定です。31年目以降もJRは受益の範囲内で負担するため、貸付料がゼロになることはありませんが、施設の大規模更新などを踏まえ減額の可能性はあります。今後も公共事業としての新幹線建設を継続できるのか、整備新幹線は曲がり角を迎えています。

【了】

【路線図】これが全国で建設が進む整備新幹線です

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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