「自動車盗難」の防止条例があっさり“不採択”に 「犯罪抑止になる」ユーザーの思い届かず 一体なぜ? 東京都
“さっさと終了”した委員会
議会への「請願」は、賛同する都議会議員の紹介があれば、誰でも提出することができます。陳情と違って、委員会と本会議で採択されると、都議会はその内容に関する処理経過と結果の報告を、行政など関係者に求めます。
署名活動などを通じて国会議員に同様の対策強化を求めて活動する「車両盗難を厳罰化にする会」(発起人=米良国興氏)は、請願申請の中で「規制の強化にあわせてヤードが移転することから、即時の立ち入り検査を可能にする等の自動車盗に特化したヤード条例の制定が抑止力となる」と主張。同年9月18日に請願申請は受理されました。自由を守る会の上田令子議員が紹介議員となり、2024年度の第4回都議会定例会で採択が求められました。
“不採択”となった委員会に出席した警視庁の村瀬智行組織犯罪対策部長は、次のように説明しました。
「警視庁では都内で5か所のヤードを把握しており、そのすべてのヤードについて稼働実態や従業員の就労状況の確認を実施している。
加えて、自動車解体業者等に対しても、関係法令に基づく定期的な立入のほか、各種取り扱いを通じた実態把握や指導を行っている。
また、盗難の手口や、被害発生状況、盗難防止に有効な機器などを『メールけいしちょう』やSNSを通じて発信するなど、自動車およびオートバイの盗難防止に向けた広報啓発活動を推進するとともに、隣接する各県警察との盗難情報の共有、検挙対策を徹底している。今後とも自動車オートバイ盗難対策を徹底する」
請願内容に対する委員の質問はなく、委員会は5分ほどで終了しました。
盗難被害者からはこんな声が聞こえました。
「犯人が逮捕されたからといって、自分の乗っていたクルマがそのままの状態で戻ってくるわけではない。乗れなくなったクルマでもローンは払い続けなければならない。盗難に強い姿勢をみせてほしい」
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
「自動車盗難事件は0件なのです!」という話なら警視庁の話ももっともな説明ともいえるが「
なら盗難車はどこに消えているのか?」って疑問がでてくるよね。もしそれがわかっているならその対策をしないとアカンのだけど「なぜかどこかへ消えているのです!不思議な話です!」ってことなのかな???