なぜ鉄パイプで“日本車”をぶっ壊す!? 格闘ゲームの定番を生んだ“ゾッとする世相” 源流は『ファイナルファイト』
『ストリートファイターII』でも採用され伝統に
『ファイナルファイト』はもともと、格闘ゲームというジャンルの原型を作った初代『ストリートファイター』の続編を出して欲しいというカプコンUSAの要望から、『ストリートファイター'89』の仮タイトルで開発をスタートした経緯があります。
そのため作品の舞台は「メトロシティー」という架空の街ではありますが、登場人物はアメリカ人です。クルマ破壊のほかにも、“最も危険な公共機関”と言われた1980年代ニューヨークの地下鉄風景を意識したステージを作るなど、当時のアメリカの社会問題をパロディとして表現していました。
なお、このクルマ破壊は、1991年3月に発売された『ストリートファイターII』でも取り入れられています。
以降、ストIIの続編である1997年2月稼働の『ストリートファイターIII -NEW GENERATION-』ではクルマ破壊はありませんでしたが、1999年5月から稼働開始した『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で復活。この時は三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」を彷彿とさせるSUVが対象になっています。
続く『ストリートファイターIV』も最初はクルマ破壊がありませんでしたが、2010年4月から販売を開始した『スーパーストリートファイターIV』で、セダンタイプのクルマを破壊するボーナスステージが追加されました。『ストリートファイターV』ではシリーズ通してクルマ破壊はナシ。そして最新作の『ストリートファイター6』ではアメリカの大型トラックを思わせる車両を破壊する形式となり、同シリーズではもはや伝統ともいえるものになっています。
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