「無人機どっさり空母」もう実現目前!? 「日本も早く」世界が熱視線を送るワケ
トルコや韓国で、無人機(UAS)を空母艦載機とする「無人機空母」の実現に向けた動きが活発化。そうしたなか、関係メーカーの注目を集めているのが、他でもない日本です。日本も「無人機空母」の運用国になる可能性はあるのでしょうか。
F-35の引き渡し拒否→それなら…
トルコ国防省は2024年11月20日、同国の無人航空機メーカーであるバイカル・テクノロジーが開発した無人航空機(UAS)「バイラクタルTB3」が、トルコ海軍の強襲揚陸艦「アナドル」で、発着艦試験に成功したと発表しました。
バイラクタルTB3は2022年に発生し現在も継続中のロシアとウクライナの戦いでウクライナが偵察や攻撃に使用し、ロシア軍に大きな損害を与えたと伝えられているUAS「バイラクタルTB2」の艦載機型です。
基本設計はバイラクタルTB2を踏襲しているものの、全長は8.35m(TB2は6.5m)、主翼幅は14m(同12m)と大型化。エンジンはバイラクタルTB2に使用されているロタックス912(100馬力)から、トルコのTEIが開発した、より強力なPDI 170 (172 馬力)に変更されています。機体の大型化とエンジンの強化によって、センサー類や兵装の搭載能力はバイラクタルTB2の130kgから280kgに強化されています。
主翼は空母や強襲揚陸艦に多くの機体を搭載するための折り畳み機構が追加されたほか、バイラクタルTB2に比べて短い距離の滑走で離発着を可能にするSTOL性能を与えるための改設計が施されています。
トルコ海軍はもともと「アナドル」に、F-35戦闘機のSTOL型で航空自衛隊も導入を予定しているF-35Bを搭載する計画でした。しかし、トルコがロシアから防空システムを購入したことを問題視したアメリカからF-35の引き渡しを拒否され、一時期「アナドル」にはヘリコプター以外の搭載航空機がない状態になっていました。
バイカル・テクノロジーはバイラクタルTB3と並行して、ジェット推進のUAS「クズルエルマ」の開発も進めており、同機も「アナドル」の艦載機として運用される予定になっています。「アナドル」はF-35に代わって、UASを艦載機とする「無人機空母」に変貌しつつあります。
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