「無人機どっさり空母」もう実現目前!? 「日本も早く」世界が熱視線を送るワケ
「日本も早く艦載戦闘用無人機を」
現在、海上自衛隊のいずも型ヘリコプター搭載護衛艦は、必要に応じて航空自衛隊のF-35Bを搭載する計画で、そのための改修や試験も進められています。その一方、大きな飛行甲板を持ちながら、現状運用できる航空機がヘリコプターのみとなっているひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦については、UASを搭載してさらに有効活用できないかという考えが存在していました。
STOLアップグレードキットを装着したMQ-9Bがひゅうが型で発着艦できるのかは未知数ですが、もし可能であるならば、ひゅうが型の活用範囲は大きく拡大するはずです。
またMQ-9B用の主翼から吊り下げて使用する想定で、電子戦ポッドや、潜水艦との高速通信を可能とするレーザー通信ポッドなどの追加装備も開発されています。もしSTOLアップグレードキットとこれらの追加装備を導入してMQ-9Bに搭載し、いずも型やひゅうが型の艦載機として運用するならば、海上自衛隊の能力はさらなる向上が見込めると考えられます。
前に述べたバイカル・テクノロジーでゼネラル・マネージャーを務めるハルク・バイラクタル氏は2022年3月8日付のNIKKEI ASIAに掲載されたインタビュー記事の中で、「日本も早く艦載戦闘用UASを導入すべきで、バイラクタルTB3はいずも型ヘリコプター搭載護衛艦にフィットする」と述べており、日本へのバイラクタルTB3のセールスに関心を示しています。
固定翼機型UASの運用プラットフォームとしてのいずも型とひゅうが型は、国内だけでなく、このように海外からも注目を集めています。近い将来、海上自衛隊も固定翼機型UASを運用する「無人機空母」を運用する海軍の一つになっているのかもしれません。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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