なぜ自治体は、停車しない寝台特急の存続を求めるのか?
旅客収入の2割が寝台特急の地方鉄道
「北斗星」と「カシオペア」は、東京都の上野駅を発車すると、JR東日本の東北本線で盛岡駅へ至ります。そこから第三セクター鉄道のIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道を経由し青森駅に到着。JR東日本の津軽線、JR北海道の海峡線を通って北海道へ渡ります。
そのため「北斗星」と「カシオペア」に乗車した場合、運賃と特急料金の一部はIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道に分配されます。その分配金は2014年5月に朝日新聞が報道したところによると、IGRいわて銀河鉄道は年間3億円で旅客収入の20%、青い森鉄道は4億円で旅客収入の21%を占めています。しかし「北斗星」と「カシオペア」が廃止されてしまうと、それが無くなってしまうのです。
少子高齢化、過疎化が続き経営が苦しい地方鉄道にとって、これは大きな収入です。IGRいわて銀河鉄道は2008(平成20)年に「北斗星」が減便された際、「寝台特急が減便され、貴重な旅客運賃収入が大幅に減少」と表現しています。
よって青森県と岩手県は通過していくだけの寝台特急でも、その廃止が第三セクター鉄道の経営難に直結するため、存続を求めているわけです。
ちなみに「第三セクター鉄道」とは、簡単に言えば国や地方公共団体と民間が出資して設立、運営される鉄道のこと。IGRいわて銀河鉄道も青い森鉄道も主要株主は県や沿線自治体で、そこに民間企業も出資している形です。
また2015年度に北海道新幹線が開業した場合、「北斗星」と「カシオペア」の経路であるJR北海道の江差線(五稜郭[函館の隣駅]~木古内)が第三セクター鉄道になる予定です。そのため北海道にとっては分配金という意味でも、寝台特急の存続は重要です。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
未だに記憶している旧国鉄時代、上野駅18番ホーム到着の夜行急行(当時)時刻より連想する、新幹線や飛行機
これらは安く上京したい方々には不向きである、夜行バスも実はそうで何故なら三等車(当時)などは通路へ新聞紙
引いて眠り移動しながら大きな荷物抱えた方々。急用でまずは列車へ乗車後に各種乗車券等を車掌さんより購入
というのが出来た利便性にある、寝台特急でより金額は高額になるが、それでもこれらの利便性は他の交通手段
には勝てない良さがあった。また車内で同じお国訛りで会話が和むというのも特徴だろう、上京し40年以上の歳月経過した。奥羽本線と羽越本線、後者の上野発・新発田(新潟県)経由・青森行き「寝台特急あけぼの号」車窓より望む
山形県、余目駅~象潟駅(通過・秋田県)区間より日本海へ浮かぶ朝日は世界中を旅・居住したがやはり屈指な美しさでありそれを見れないのは残念である。観光時期の夏場は公共交通手段にての来客を増やす意味でも自治体側にはホテル・キャパシティが都会並みではない現状打破出来ぬ点をブルー在・無で本来はかなり違うと読んでいる節がある、事実・個人的に生まれ育った地方のイベントはブルトレあればホテル無くても車内箔で用事済ませて帰郷
出来たし上京した(戻った)経験あるから。地方公務員ほど同様な考えだと思いますね多分・・・。
JRの夜行列車が衰退した理由。まさに寝台特急偏重主義で座席車をバッサリ切り捨てた仕打ちへのしっぺ返しかもしれませんね。
IGRと青い森が、寝台列車の車両を新製購入して、運行をお願いしないと。何もしないでただ通過してくださいじゃお話にならない。3編成は必要だから、IGR1、青い森1、JR東1で持ち合い、車両使用料は相殺とか提案すれば良かった。